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【代表インタビュー】歯科技工所 ㈱シケンのリスキリング最高責任者の就任の背景と思い

 2023年11月21日(火)、当社の代表 中川が徳島県小松島市にある歯科技工所 株式会社シケンのCRO(Chief Reskilling Officer)に就任しました。
昨年1年間、同社のリスキリング推進および営業DX支援の成果を受けてのCRO就任となります。  
今後はCROとして、現場のリスキリングにとどまることなく、経営面からのリスキリングを牽引していくことになります。

本記事では、急速なテクノロジーの進化(DX)と、共に変化する現代のビジネス環境において、リスキリングを経営課題として捉えることの重要や、西日本地域初となる今回のCRO就任の背景や今後の展望、さらには、地域社会への貢献について、スタッフの長澤が代表の中川に聞きました。

 

   シケン社CRO就任の背景

シケンCRO就任記者会見長澤:歯科技工所 シケンさんのCRO就任ということですが、その概要と背景を改めて教えてください。

中川:CROという役職はあまり聞き慣れないものだと思いますが、「Chief Reskilling Officer」の略語で、企業における「最高リスキリング責任者」とか「最高人材育成責任者」のことを指します。
アメリカではマイクロソフト社などのIT業界で、CROに似た「CLO(Chief Learning Officer)」という役職が、一般的になってきているのですが、今回は、"Learning=学び"だけではなく、その先にある"人材の流動や働き方多様性"と、"企業のDX推進"に焦点を当てるという意味を強調するためにも名称はCROにしました。来年2024年の12月まで私が担い、その後、シケン社の中の人に引き継ぐ予定です。
背景としては、昨年1年かけて、シケンさんのリスキリングをご支援させていただき、営業DXの一部である、インサイドセールスで一定の成果を出すことができました。その成果報告をシケン社の役員皆さんに共有する会議で、来年は、CROとして、現場のDXにとどまらず、経営課題としてのリスキリングに、経営陣と一緒に取り組むことで合意しました。人事評価制度や社員のキャリアプランについても伴走いたします。




   インサイドセールスのリスキリングとは

増加率長澤:シケン社で実施したリスキリングというのは具体的にはどのようなものなのでしょうか。

中川:入れ歯や矯正装置などを作る歯科技工所であるシケン社にとってのお客様は全国の歯科医になるわけですが、営業と言えば、昔から訪問営業が一般的でした。それがパンデミックの影響で訪問しにくい環境になったり、また一方で、営業の女性が結婚、出産を経て、復帰したものの、前と同じように営業ができないという問題があったりで、在宅や時短をどのように進めるか、が課題でした。
 当社が関わる以前から、インサイドセールス(以下I.S)の推進はされていたようですが、進め方やI.Sそのものの認識に対する問題などがあったので、当社がゼロイチから入って伴走をさせていただきました。その結果、新規での商談実施数は322%、新規顧客125%、新規売上高約741%という一定の成果を得ることができたのは大変嬉しいことです。

長澤:それだけの成果が出たリスキリングとは具体的にどのようなものなのですか。

中川:週1回の集合研修型のオンラインレクチャーで基礎となる知識のインプットを行い、そのインプットしたものをまた1週間かけて、現場の実務にアウトプットしていきます。ポイントは、インプットしたことを「自社の現場ですぐにアウトプットする」点です。さらにそこで出た失敗や成果を定例MTGでフィードバックしてもらい、改善ポイントを考えて、新たにアウトプットにトライするという繰り返しを行いました。インプットばかりするのではなくて、実際の業務にその都度アウトプットしていく「Reskilling to DX」というスタイルを当社では徹底してもらいました。

 企業によって、I.Sのあり方は変わってくるので、シケンさんにとって適正なI.Sとはなにか?についても議論を繰り返しました。現場の皆さんと、同じ目線で、現場を尊重し、理解深めながらリスキリングを進めることが大切です。シケンさんの場合、顧客である歯科医、歯科医師の先生に対してアプローチし、ナーチャリング(関係を育成していく)していきます。その中で、医師の先生の1日の業務の流れや、歯医医院の業務形態を分解し、どのようなアプローチをいつやればいいかを考え抜いて、あらゆるアプローチを実施、その中で業界にフィットしたシケンさんのI.Sをつくりあげていきました。

長澤:手応え十分といったところでしょうか。

中川:そうですね。ゼロの状態から現場2名でI.S専門のチームを立ち上げて、再現性のあるかたちである程度の成果が出たという意味では、手応えを感じていただけたのではないかと思っています。ただ、まだまだ会社の売り上げの中では、そこまで大きなインパクトがあるわけではないので、これからさらに推進していきたいですね。そのために、新規メンバー採用や、部門独立といった経営面からリスキリングを進める必要もありました。

長澤:今回リスキリングを支援された社員のみなさんの反応はいかがでしたか。

中川:今回2人の産後復帰された在宅かつ時短で稼働されている女性社員にリスキリングを実施したのですが、それぞれしっかりと成果が出たことについては、大きな自信とやりがいを得たと言ってもらいました。

   CRO就任の思いシケンSXlogo

長澤:今後は、CROとしてシケン社のリスキリングに関わるわけですが、CROとしての今後の展望などをお聞かせください。

中川:CROとしてのリスキリングがこれまでと違うのは「経営課題」としてリスキリングに取り組むという点です。現場の業務改善やスキル習得にとどまらず、人事評価制度に反映していったり、社員のキャリアプランを一緒に考えたり。また採用を予算化するのも大事な仕事になります。会社の"根幹"として取り組むということですよね。私も自社の経営と同じ位置づけでシケン社のリスキリング×経営において取り組んでいきます。
また、CROを配置するということは、シケン社にとっても、社内外に「人材育成を進めていく」「DXを推進する」ということの意思表示だと思っています。

 


   リスキリング支援の拠点、徳島県小松島市での取り組み

小松島市リスキリング推進事業タイトル長澤:シケンさんが所在するする徳島県小松島市は、行政としてもリスキリングを推進されれていますね。。

中川:はい。小松島市民の方々に向けたリスキリング支援事業を当社で受託しています。
昨年、岸田首相が「成長産業への労働移動を促すリスキリング支援に5年で1兆円を投じる」と所信表明したこともあって、行政でもリスキリングそのものの重要性やその効能が注目されるようになりました。行政におけるリスキリング推進はもちろん、今回のCRO就任のように、企業を通じて貢献できることは喜ばしいことだと思っています。また、今回のように同地域で官と民がリスキリングを推進していくことは、現地のリスキリングされた人材の雇用や、他の企業のDX推進に波及していく可能性も高くなると思っています。

 

 


   「Reskiling toDX」の重要性とシェアエックスの今後の展望

RtoDlogo長澤:「リスキリング」というキーワードは今後ますます必要不可欠なものになっていきそうです。シェアエックスとしての今後の展望をお聞かせください。

中川:自治体や企業によって優先課題が当然変わってくるので、それぞれの課題に応じたリスキリングをご提案し、伴走できればと思っております。すでに他の地域からも相談をいただいており、来年は新しい取り組みも始まりそうです。
リスキリングという言葉は「学び直し」と訳されがちです。そうではなくて、学び直して習得した知識やスキルを、行政や企業の課題解決につなげていく、その中で人材も流動していく。それが本当の「リスキリング」だと考えています。学び直ししておしまい、ではなくて、そこから課題解決して成長につなげていく、まさに「Reskilling to DX」が大切だということですね。
今後も、リスキリングを通じて、行政や会社の成長に貢献できるようにしたいと思っています。

長澤:ありがとうございました。

 

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