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【代表ブログ】シェアエックスという会社の「存在意義」とは?

スタートアップという言葉が浸透しつつある現代ですが、まだアクセラレータープログラム自体がマイナーで、起業家の数も少なく、アントレプレナーシップだとかスタートアップという言葉すら認知が低かった約10年以上も前。当社代表の中川がスタートアップとして?起業したのはその頃です(以前にすでに起業➞サラリーマンと経験していたみたいですが)。起業、売却、そしてまた起業。シェアエックス株式会社では、一体どのような目的があり、経緯で今に至るのか。このコーポレートサイトのリニューアルを機に、改めて代表を取材することにしました。この10年の中で、数々の(本人はわずかな、と言ってますが)成功と様々な失敗を繰り返す中川が、今どのようなことを想い、未来を脳内に描いているのかーーー。そこには様々な経験と、コロナによる必然的な流れとが混在した、複雑な「意思決定の連続」があったようです。



    シェアリングエコノミーに魅了されて10年

まず始めに、中川さんのこれまでの変遷について教えて下さい

今からちょうど10年前にあたる2011年。当時出会った「シェアリングエコノミー」という著書に感銘をうけて、これからの時代はこの概念がきっと「当たり前になる」し、社会にとって必要な必須要素として機能するだろうと思い、シェアゼロという会社を起ち上げました。今や当たり前のように、世の中に顕在するコワーキングスペースですが、2011年当時はまだ数も圧倒的に少なく、用語すら知らない人も多い中、「人の出会いを誘発する場のシェアリング事業」の一環として渋谷にコワーキングスペースを大手企業と一緒(共創して)に起ち上げて運営するなど事業活動しておりました。
その中で、実際に場をシェアする起業家仲間やフリーランスと様々な勉強会やイベントなどを開催していましたが、起業家同士や成長ベンチャー企業内で、社内だけ足りないスキルを補う人材の必要性と課題を感じはじめ、次なる事業として「PROsheet」というサービスをローンチしました。これは、特定領域のプロフェッショナル人材における時間とスキルをシェアできる人材サービスでした。お陰様で多くの企業と ITエンジニア、デザイナー、マーケターにご利用いただき、2017年にはさらに事業を拡大すべく、ランサーズ株式会社に無事バトンタッチ(会社の売却)するにいたりました。

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※ 左の写真は 2014年6月27日 TechCrunch様 インタビュー記事 より引用  ※ 右の画面は、現在の PROsheet のトップページより引用


そして、企業(パラフト社)売却後の 2018年。当時はすでにもはやIT分野における起業家やサービスが乱立する中で、これからはそのような多様な企業・サービスが国内マーケットのみならず、どんどん海外に進出していく機会を増やし、海外企業とアライアンスしたり、外貨を稼いでいく必要性を感じ、日本経済の活性に不可欠となる「グローバル進出」をキーワードに新規事業を起こすべく、新たに会社を立ち上げました。それが今の「シェアエックス株式会社」です。


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※ シェアエックス社  当時のWEBサイトのトップページ。


しかし、まだ 2018年当時では、他所の国であれはグローバルへのサービス進出のニュースなどが多発するものの、まだまだ日本国内の企業が海外へ進出するといったケースは少ないのと、たとえ検討中の企業があったとしても、ある程度の事業規模を持った会社でないとそこまでの海外情報ニーズが得られないことや、そういった企業では意思決定そのもののプロセスに時間を要する点など課題が山積し、当時 Base-Q で行った「Next Silicon Valley」というカンファレンス自体は、満員御礼で大盛況で幕を閉じたものの、サービス自体のPMF(プロダクトマーケットフィット)までは実現することができませんでした。

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2019年9月12日 CNET JAPAN様 掲載の記事 より引用。南アフリカ、インド、中国、イスラエル、ブラジル、ロシアで活動する投資家や企業支援者を一同に集めてカンファレンスを開催。


その後、コロナによる企業間の関係をつくることが難しくなった背景を踏まえて国内の課題に目を向け、アライアンスをトランスフォーメーションする(AX)アライアンス支援事業 を推進。ですが、アライアンスそのものは企業にとっても重要な戦略であるものの、緊急性・再現性は乏しいものであり、メインとして取り組むにはまだまだ厳しいものでした。

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メッセージは「NEW NORMAL, NEW DEAL.」
ですが、シェアエックス社を立ち上げてから現在に至るまで、この2つの事業で得た検証データや実績、失敗からの学び、深堀りしてきたアライアンスにおけるナレッジ等については、今行っている事業でまさに役に立っていて、現在推進している新たな事業に直結している部分も実は多いんです。これからの未来、アライアンスは事業発展・成長の面で必要不可欠なものになるとすでに実感しています。アライアンスは「共創する」という意味でも「シェアリングエコノミー」なんですよね。それぞれのマーケットやテクノロジーリソースをシェアする、という意味において。



   シェアエックス株式会社の新たな「存在意義」を考える


シェアエックスという会社では、社会に対してどのような価値提供を目指しているのですか?

そうですね、シェアゼロ株式会社&パラフト株式会社で活動していた時代は、プロフェッショナルな人材がすでに実装している個々の「スキル」や「時間」をシェアすることで、個人のライフスタイルがもっと自由で豊かになり、それが最終的に社会にも還元されるという構想のものでした。実際に柔軟な働き方推進における啓蒙活動が活発化し、各企業で複業やリモートワークの導入なども進んでいく中で、政府も「働き方改革」という称号で政策を推進しはじめましたし、ある程度すでに達成されつつあるのが昨今かと思います。

しかしながら、その恩恵を受けているのはまだまだ一部の人間のみであり、日本国内全体を見回すと、貧富や経済格差は二極化しつつあると思っています。これは経済発展に伴って生み出される現代の「歪み」であろうと僕自身は認識しています。また、日本をはじめ世界でも、生産労働人口の現象は深刻であり、かつ急速な技術の発展、企業や政府が推進するDX = デジタルトランスフォーメーションによって、さらに多くの仕事が失われるとも言われております。

我々は、そのような次代背景を鑑みて、学歴・経験・実績がなくても個人が豊かになるには、今の社会で何が足りないのか?
また、それは 企業や政府にとっても有益な形でコネクト(共創、アライアンス)することはできないだろうか? と考えました。


SDGs 17項目のうちの、開発目標No.08「働きがいも経済成長も」も然りです。
ー すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、
ー 生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する

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※ 外務省 SDGs 公式サイトより引用。

そこでシェアエックス社は、改めて我々の目指す方向性、提供できる価値、そしてサービスを通じてもたらすメッセージそのものについて、改めて見直すことにしたんです。それが今年2021年の前半に実施した全てになります。




   新たに掲げたメッセージ「Chance to Change」とは?

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今回新たに掲げられたメッセージについて教えて下さい  

前段までの想いを軸に、社内のメンバーや投資家、顧問のみなさんなど、多方から応援してくださる方々と何度も意見交換を重ね、まず「想いの共有」を繰り返しました。どんなサービスで、どんな人を、どのようにエンパワメントしていくのか。そして、最終的に社会に対してどのように貢献・還元していく組織体であるのか。その中で出てきたワードとして、以下のようなものが挙がりました。

・経験や実績、学歴がなくても成長意欲があれば
・個人が自信を持って生きていけるためのプラットフォームとは
・平等な機会 そして変化 その先にある自由なライフスタイルの選択
・自身で得た機会や変化を、周りに享受しあえるような社会

そして、限られた時間の中で、端的にわかりやすくメッセージにまとめたのが、今回CDO(Chief Design Officer)に就任してくれたマスイ メグミです。彼女が今回デザインした CI(コーポレート・アイデンティティ)についての記事も併せてご覧いただければと思います。
 
Chance to Change 略して「C to C」。弊社は B to B(法人間取引)がビジネスモデルの主流となりますが、そこで一番恩恵を受けるのはカスタマー = C そのものであり、その対価として企業 = B に反映され、結果として経済そのものや国家の発展に貢献することが、サスティナブルにもつながると考えています。


そして、上記のメッセージを具体的に実行していく事業(手段)については、次回改めてこのブログに記したいと思います。乞うお楽しみに!